ふと振り返ってみると、音楽のインストラクターという仕事を始めてから、丸13年経っていることに気付きました(!!)
先生と呼ばれる立場にいて、音楽に関してはアレコレと言っていても、実際の所、人間力に長けている生徒さん達に逆に教わることが多い日々です。
レッスンというのは、先生や生徒さん、どちらか一人だけが頑張ったとしても決して成り立たないものだなと感じています。
ちなみにこのブログでは、万人に共通するようなボイトレのレッスンメニューはほとんど表に出ていません。
それには理由があって、現在私が主に使っているメニューは、生徒さんの声や声帯のコンディションによって細かくバランスを変えているという現状があるからだったりします。
例えば、、、「歌を上手く歌うためには喉を開けたほうが良い」といったを聞いたことがある方は多いのではないかと思います。
実際それは間違ってはいないのですが、色々なの方の声を聞かせてもらって感じるのは、本当に喉が緊張状態で声が出にくい方もいる一方、その逆に喉を開けようとし過ぎて、結果その反動で声帯のバランスを崩して、喉が締まったような声に聞こえているだけという人も非常に多くいるのです。
私自身の技量の問題もありますが、本当にその人の声をその場で聞いて修正していく事までがメニューの一部だと考えていることもあって、今はまだ、ブログ全体が抽象度の高い雰囲気になっています。
余談になってしまいましたが、今回は、普段のボイトレのレッスン風景や、私が音楽インストラクターとして感じている事などを書いてみたいと思います。
ボイトレのレッスン風景

普段の様子は、twitter で呟いたりしていますよ。
基本的に、「歌を歌いたい」「もっと上手くなりたい」という自発的な動機がある方たちばかりなので、ちゃんとコツコツ練習してきてくれます。
レッスンの前に必ず自己練をしてくる生徒さんは、年末年始の休みに関わらず、良いコンディションで歌をもってきてくれますね(*⁰▿⁰*)
— 上北真裕子 (@Mayu_Music75) 2018年1月7日
私よりも社会人歴の長いビジネスマンの方々は、歌のレッスンを受けた後「いや〜、仕事のヒントになりましたー」と帰っていかれるのですが、私からするとレッスンの間は音楽についてしか話していない訳で。一つの事をどれだけ深い視点で見ているんだろう、、、私もそんな風になりたいものです。
— 上北真裕子 (@Mayu_Music75) 2018年5月21日
あと、いつも私が担当させてもらっている生徒さん達は、とにかく言い訳をしないのですよね。(素晴らしい!)
それがあまりに普通過ぎて、今まで気付いていなかったのですが、ある時に「あれ、言い訳しないって、意外とあたりまえのように出来ない人も多いんだな、、、」と思った事があり、本当に現状がありがたいな~、と思うこともしばしば。
ボイトレレッスン前にひっそりと音楽インストラクターがやっている事

一日のどの時間帯でも、いつでもベストな声が出るよと言えたら素晴らしいのですが、私の場合、まだまだ自分のコンディションを作る時間が必要だったりします。
ですので、例えば生徒さんとハモるレッスンをしたりなどする際は、レッスン前にひっそりと朝練でウォーミングアップをして声帯が鳴る状態にしておきます。
そうすると、自分自身の声のコンディションを気にすることなく、生徒さんの歌を見る事に集中できるので。
朝練。無意識に出す声では、自分の声帯の使いやすい部分しか使っていないから、眠っている部分をトレーニングで起こしていきます(^_^) pic.twitter.com/OIAIINoFFj
— 上北真裕子 (@Mayu_Music75) 2017年9月13日
影では念入りにトレーニングの効果を上げることに集中しているのですが、実際のレッスンの中では、どちらかと言うと一見すごく変な事をやっている(?)やり方の中に、色々と効果が出る方法を入れ込んでいることが多いかも、、、
いつか、どんな人でも魔法がかかったように歌の変化が感じられるといいな、と思いながら私自身も勉強しています。
ボイトレラストレッスンの風景
愛知を離れる生徒さんの最後のレッスン。感極まって出てくる涙を堪えつつ気持ちをのせた歌を聴ける、至福の1時間でした。大人の女性が、これまでのレッスンの中でひっそりと想いを積み重ねてくれたのかと思うと、本当に嬉しい。そして、手紙を読んでなんとか仕事場では堪えていた涙が。゚(゚´ω`゚)゚。 pic.twitter.com/zLzdl4VmdN
— 上北真裕子 (@Mayu_Music75) 2018年5月30日
普段のレッスンでもそうなのですが、一番は生徒さんとのラストレッスンというのが、これまで自分がしてきたレッスンの質がはっきりと明らかになる瞬間のような気がしています。
本当にありがたいことに、生徒さんから直筆の手紙を頂くことが多くて。時に私が恐縮するほどのメッセージを頂くことも(感激)
レッスンというのは、月に数時間を共に過ごしていく訳ですが、長い時間であるにも関わらず、ラストレッスンの時に、手紙を書くという時間を使ってくれる事が本当に嬉しく感じるのです。
レッスンが終わってしまうと、直接生徒さんとお会いすることはなくなるのですが、それでも音楽を続けていってくれているという事を耳にすると、先生冥利に尽きるな~と思います。
一方で、もちろん私にも「もっとこうできたのではないかな、、、」という後悔が生まれることもあったりしますよ。
自分の力不足だったり、自分の意図が伝わらなかったりという時には「どう改善していけば良かったのかな、、、」と長時間考えるあまり、駅のホームのベンチにずっと座って、何本も電車を見送ってしまったことも過去にはありました(苦笑)
音楽インストラクターが感じている事
最近は、この先10年後を見据えて、どんな教え方をしていけば良いか、さらにどんな勉強をしていけばいいのかをすごく考えるようになってきています。
今までならば、ボイトレであれば声のバランスを整えたり、生徒さんが悩んでいるポイントを解消することで、その人の持っている音楽表現がスムーズに表せる道筋を作るという事が中心でした。
数年前には、それまでのレッスンメニューをガラッと変えることで、レッスンであげられる効果がさらに見えてきた実感もあります。
ただこれからは、音楽的な技術だけでは本当に不十分な気がしていて、しかもそのプラスアルファの部分を私が提供できるようになるためには、だいぶ私自身が勉強をしていかないといけないと感じています。
近々その新しい勉強のために、新たな環境に自分を放り投げる予定なのですが、正直非常に緊張していたりします、、、
きっと数年後には、音楽的な技術だけではなく、もっと深いレベルでのレッスンを提供できるようになるのではないかなと思っているので、まだまだ形になるのは先かもしれませんが、生徒さんの人間力に負けないように成長していきたいなと感じる今日この頃です 。
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