今回は、実際の曲を例に挙げて、曲と照らし合わせながら、「歌う時にはこんなポイントに気をつけてみると良いですよ!」というボイトレワンポイントレッスンをしてみたいと思います。
今回はバラード曲をピックアップしてみました。
バラードの曲の中の歌詞の歌い方で注意した方が良い所などを、ポイントで説明していきたいと思います。
今回使用する曲は、私が学生時代に作った曲で、もし大昔の私の歌を現在音楽インストラクターである私が直すとしたら、どんな部分を改善していくかを見ていきます。
バラードの歌い方【全体の印象】
まずは曲全体をざっくりと聞いていただけると分かると思うのですが、全体的にメロディーの歌い方、言葉の発し方がかなり流れるように滑らかになっていると思います。
「タ行、ラ行、カ行、ガ行」などの子音が弱めですね(苦笑)
バラードの曲に付けられた歌詞の中には、切ない内容だったり甘めの歌詞が割と多いかなと思うのですが、その歌詞の雰囲気に流されすぎて、歌詞の言葉が聞き取りにくい感じがしてしまいますね。
バラードとはいえど、メロディのリズムの輪郭はやはり残っていた方が、切ない雰囲気の中にも芯を存在させることができるので、実際に皆さんがバラードを歌う時には、必要以上に言葉が流れ過ぎていないかを注意すると良いと思いますよ。
歌詞のこの部分を意識すると良くなりますよ!【ボイトレワンポイントレッスン】

それでは実際に、曲のどの部分を直していけばいいのか具体的に説明していきたいと思います。
例えば一番のサビ部分(1:13〜1:50)、
「雫が落ちる 水が部屋を包む この部屋にあなたとふたり」
という歌詞があります。
「雫が落ちる」という部分の、「が」から「お」にかけての部分がだいぶ歌い方が流れてしまっているので、直し方としては、シンプルに「お」部の分を少しはっきり歌う、または「が」と「お」のあいだに僅かに間を入れてあげると、必要以上に歌詞が流れてしまうことを防ぐことができます。
「間を入れる」というのは少し説明が難しいのですが、このメロディラインの場合、決してそこでブレスは入れない方が良いと個人的に思います。ブレスを入れてしまう事で、メロディの流れが遮られてしまうことがあるからです。
実際、どの方法で歌い方を修正するとナチュラルに聞こえるかは、歌っている人の声質などにも左右されるので、どの直し方がその人にとってベストなのかを、普段のレッスンの中では色々と試してみたりしますよ。
その他にも、このサビ部分の歌詞で気になるのは、「部屋」の「へ」の発音なんかも気になりますね。
「へ」は母音でいうと「エ行」になるのですが、この部分の音を聞いていると少し口角が下がり気味の状態になっているような気がします。
そういった僅かな違いでも言葉がクリアに聞こえなかったりする事があるので、日頃から自分の歌を録音してチェックするという作業はとても大切になりますね。
まとめ
今回はポイントレッスンと称して、バラードの曲を例に、歌詞の歌い方について気を付ける点を書いてみました。
なぜこういった部分に気を配る必要があるかというと、例えば歌を聞いて下さっている方達に、「今の歌詞は何て言ったんだろう?」と考えさせてしまう時点で、余計な労力を聞き手に与えているということになってしまうのです。
人が歌を聞いて感動する時というのは、気付いたらもう胸がいっぱいになっていたりするもので、時間としては一瞬のことだったりしますよね。
そういったことを考えると、できるだけ聞き手に必要のない労力をかけてもらわずに、自分の歌の伝えたい部分をダイレクトに伝えていく、そのための修正は惜しまないようにするということが大事なのではないでしょうか。
歌い手さんでも、歌詞の歌い方や言葉の発音の仕方は人それぞれ違うので、自分がどんなクセを持っているかということを把握して、もしそれが自分の伝えたい事を伝える過程で修正したほうが良いものであれば是非改善をしていってください。
そうすることで、自分の伝えたい歌に込めた思いが、より一層ダイレクトに伝わるようになると思いますよ!
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